デング熱に思う東京一極集中の怖さ
2014年 09月 29日
最初は3人の感染者だった。
8月23日のNHK番組「週刊深読み」で出てきた日本を代表する感染病対策のエキスパート?
とふれこみのA氏、「デング熱は怖い病気ではないし、新潟で2名、埼玉で1名出ていますが、
大きく拡大する恐れは有りませんから、心配しないでください」とおっしゃる。
あれから3週間も経たない内に、100人を超え、北は北海道、西は九州まであっという間に広がってしまった。
北海道のような本来感染媒体の<ヒトスジシマカ>が生息しないところはともかく、関東より西の温暖な地域では、感染者がその土地の<蚊>に刺されれば、また新たな感染源となる。
私はこの話題を聞いた瞬間に、感染者が新潟と埼玉で、共通点が最近「代々木公園」を訪れた事、
などから確実に拡大するだろうと、感じました。
感染者が何百キロと離れた処で発症し、少なくとも2か所存在した時点で今回の事態は予測出来たはずです。
福島第一原発事故の時の報道と一向に変わっていない、希望的観測と国民への愚民扱い。
またぞろ繰り返された訳です。
疫学のエキスパートさんがこの程度では、もっと恐ろしい「エボラ出血熱」となったら、どうなる事やら。
但し、今回私が話題にすることは、その方面の問題ではなく、東京のとある公園に居た蚊からアッと言う間に16都道府県へと広がったことです。
代々木公園は名前こそ知れ、終ぞ行ったことはないのですが、1,2週間の間にこれ程多くの人々が行きかう公園なのだと、改めて思いました。
現在は閉鎖されているわけですから、本当に一月弱の間に日本中の人が代々木公園付近を訪れていたわけです。
これが渋谷や東京駅なら未だしも、車や電車で通り過ぎたわけでなく、<蚊>に刺される程度にその場所に滞在していた訳ですから、本当に驚いています。
常々「東京一極集中は問題だ」と言ってる私ですが、まさかこれほどとは思っていませんでした。
一億2千万人以上が住む日本ですが、その富の半分以上が東京とその周辺に集まっているといっても過言ではありません。
私たち建設分野で言えば、全国の住宅着工数の40%、金額の50%以上が東京周辺で使われています。
ちなみに、中京圏は10%と言われています。
人口は愛知が740万人、三重が180万人、岐阜が210万人、静岡も入れて1500万人がやっとですから、全人口の11%とほぼ納得です。
東京は都が1300万人、神奈川が900万人、埼玉、千葉で1340万人、合計3540万人と全国のほぼ30%だが経済力は50%以上と言うことになる。
今回は「デング熱」と言う、ほとんど人の命に関係ない病気でしたが、とてもいいテキストになったのではないでしょうか?
まず、感染症予防対応は殆ど機能しない。(全国に患者が続出してから公園を閉鎖しても遅い)
専門家チームを発足させるわけでもなく、場当たり的対応を続けている。
今後、様々なケースの「東京発問題」が考えられる良いケースとして、対応を考えたらどうか。
来年3月から北陸新幹線が開通し、東京―金沢間が2時間30分で結ばれるそうです。
金沢は本来中部圏の北部に在る中核都市であり、将来の日本を道州制として考えれば、名古屋との直通ルート(現在は鉄道も道路も4時間以上掛かる)を模索するべきでは。
2時間30分なら日帰り圏内として、東京からは勿論、金沢の人たちも東京へ目が向くのは当然でしょう。
今までは、東京本社の下名古屋支社の下金沢支店だったのが、東京本社直轄金沢支店になるのは時間の問題です。
つまり、北陸は首都圏に組み込まれるのです。
信州は長野新幹線が開通して東京圏に組み込まれた感じですが、中山道や軽井沢を擁する県としては、東京により親近感を感じるのはやむを得ない感が有りました。
しかし、富山、金沢は中部、と言う意識が強いのは私だけでしょうか?
かつての江戸時代、参勤交代と言う苦行を地方大名に課し、この国の中心は江戸に有り、人、モノ、金、全てを江戸に集めたところから、中央集権国家はまるで都市国家のようです。
日本の財政は毎年赤字となり、国債(借金)で賄って20数年、現在の国債発行残高は750兆円を超え、国の年間予算の10年分にもなっていますが、この間も東京都は国税の再配分である地方交付税交付金は受け取らずに(地方ではないかもしれないけど)ほぼ健全運営、都債は発行しているものの、平成25年の残高5兆円強と、年間歳入費6.6兆円を下回っています。
なぜ黒字の都が借金をしているのか?と言えば、日本の予算組みが単年度だからです。
下水道や高速道路などのインフラ事業は単年度では終了しませんし、回収することも出来ません。
そうした、都市のインフラ財源は5年物とか10年物の都債になるのです。
日本全体では、鉄道インフラはいち早く民営化(国鉄からJRへ)、高速道路も維持管理は民営化(何故か建設は未だに国の予算)、郵便事業と金融業務も民営化(郵貯銀行)、水道や下水は元々地方自治体運営、そんな中で住宅都市整備公団は民営化されず、UR(都市再生機構)と名称変更して、実質的な国営企業として残っています。
横道にそれそうですが、詰まる所、政治と経済、そして人(文化ともいえる)が東京に集まってしまった日本は「非常に危うい」と感じるのです。
「東京こけたら皆こける」のが現状ではないでしょうか?
東京に危険な「ウイルス」が持ち込まれれば、瞬時の内に日本全国に感染し、地下直下型の地震が発生すれば、経済、政治、流通ほぼ日本のポテンシャル(機能)全てがストップするのです。
東日本大震災の時、西日本は正常に機能していながら、関東から東には何も送れなかった事実は東京に大きな被害が無いにも関わらず、パニックになり、有る筈の燃料や食品、日用品まで店頭から姿を消し、運送手段まで麻痺してしまったのです。
震災復興は勿論大事ですが、新たに想定される震災にどう備えるか?の方が大事ではないでしょうか?
<地方の時代>とか言いながら、一向に中央集権、一極集中を変えないこの国の人々は、懲りない民族と言われることになりそうです。
8月23日のNHK番組「週刊深読み」で出てきた日本を代表する感染病対策のエキスパート?
とふれこみのA氏、「デング熱は怖い病気ではないし、新潟で2名、埼玉で1名出ていますが、
大きく拡大する恐れは有りませんから、心配しないでください」とおっしゃる。
あれから3週間も経たない内に、100人を超え、北は北海道、西は九州まであっという間に広がってしまった。
北海道のような本来感染媒体の<ヒトスジシマカ>が生息しないところはともかく、関東より西の温暖な地域では、感染者がその土地の<蚊>に刺されれば、また新たな感染源となる。
私はこの話題を聞いた瞬間に、感染者が新潟と埼玉で、共通点が最近「代々木公園」を訪れた事、
などから確実に拡大するだろうと、感じました。
感染者が何百キロと離れた処で発症し、少なくとも2か所存在した時点で今回の事態は予測出来たはずです。
福島第一原発事故の時の報道と一向に変わっていない、希望的観測と国民への愚民扱い。
またぞろ繰り返された訳です。
疫学のエキスパートさんがこの程度では、もっと恐ろしい「エボラ出血熱」となったら、どうなる事やら。
但し、今回私が話題にすることは、その方面の問題ではなく、東京のとある公園に居た蚊からアッと言う間に16都道府県へと広がったことです。
代々木公園は名前こそ知れ、終ぞ行ったことはないのですが、1,2週間の間にこれ程多くの人々が行きかう公園なのだと、改めて思いました。
現在は閉鎖されているわけですから、本当に一月弱の間に日本中の人が代々木公園付近を訪れていたわけです。
これが渋谷や東京駅なら未だしも、車や電車で通り過ぎたわけでなく、<蚊>に刺される程度にその場所に滞在していた訳ですから、本当に驚いています。
常々「東京一極集中は問題だ」と言ってる私ですが、まさかこれほどとは思っていませんでした。
一億2千万人以上が住む日本ですが、その富の半分以上が東京とその周辺に集まっているといっても過言ではありません。
私たち建設分野で言えば、全国の住宅着工数の40%、金額の50%以上が東京周辺で使われています。
ちなみに、中京圏は10%と言われています。
人口は愛知が740万人、三重が180万人、岐阜が210万人、静岡も入れて1500万人がやっとですから、全人口の11%とほぼ納得です。
東京は都が1300万人、神奈川が900万人、埼玉、千葉で1340万人、合計3540万人と全国のほぼ30%だが経済力は50%以上と言うことになる。
今回は「デング熱」と言う、ほとんど人の命に関係ない病気でしたが、とてもいいテキストになったのではないでしょうか?
まず、感染症予防対応は殆ど機能しない。(全国に患者が続出してから公園を閉鎖しても遅い)
専門家チームを発足させるわけでもなく、場当たり的対応を続けている。
今後、様々なケースの「東京発問題」が考えられる良いケースとして、対応を考えたらどうか。
来年3月から北陸新幹線が開通し、東京―金沢間が2時間30分で結ばれるそうです。
金沢は本来中部圏の北部に在る中核都市であり、将来の日本を道州制として考えれば、名古屋との直通ルート(現在は鉄道も道路も4時間以上掛かる)を模索するべきでは。
2時間30分なら日帰り圏内として、東京からは勿論、金沢の人たちも東京へ目が向くのは当然でしょう。
今までは、東京本社の下名古屋支社の下金沢支店だったのが、東京本社直轄金沢支店になるのは時間の問題です。
つまり、北陸は首都圏に組み込まれるのです。
信州は長野新幹線が開通して東京圏に組み込まれた感じですが、中山道や軽井沢を擁する県としては、東京により親近感を感じるのはやむを得ない感が有りました。
しかし、富山、金沢は中部、と言う意識が強いのは私だけでしょうか?
かつての江戸時代、参勤交代と言う苦行を地方大名に課し、この国の中心は江戸に有り、人、モノ、金、全てを江戸に集めたところから、中央集権国家はまるで都市国家のようです。
日本の財政は毎年赤字となり、国債(借金)で賄って20数年、現在の国債発行残高は750兆円を超え、国の年間予算の10年分にもなっていますが、この間も東京都は国税の再配分である地方交付税交付金は受け取らずに(地方ではないかもしれないけど)ほぼ健全運営、都債は発行しているものの、平成25年の残高5兆円強と、年間歳入費6.6兆円を下回っています。
なぜ黒字の都が借金をしているのか?と言えば、日本の予算組みが単年度だからです。
下水道や高速道路などのインフラ事業は単年度では終了しませんし、回収することも出来ません。
そうした、都市のインフラ財源は5年物とか10年物の都債になるのです。
日本全体では、鉄道インフラはいち早く民営化(国鉄からJRへ)、高速道路も維持管理は民営化(何故か建設は未だに国の予算)、郵便事業と金融業務も民営化(郵貯銀行)、水道や下水は元々地方自治体運営、そんな中で住宅都市整備公団は民営化されず、UR(都市再生機構)と名称変更して、実質的な国営企業として残っています。
横道にそれそうですが、詰まる所、政治と経済、そして人(文化ともいえる)が東京に集まってしまった日本は「非常に危うい」と感じるのです。
「東京こけたら皆こける」のが現状ではないでしょうか?
東京に危険な「ウイルス」が持ち込まれれば、瞬時の内に日本全国に感染し、地下直下型の地震が発生すれば、経済、政治、流通ほぼ日本のポテンシャル(機能)全てがストップするのです。
東日本大震災の時、西日本は正常に機能していながら、関東から東には何も送れなかった事実は東京に大きな被害が無いにも関わらず、パニックになり、有る筈の燃料や食品、日用品まで店頭から姿を消し、運送手段まで麻痺してしまったのです。
震災復興は勿論大事ですが、新たに想定される震災にどう備えるか?の方が大事ではないでしょうか?
<地方の時代>とか言いながら、一向に中央集権、一極集中を変えないこの国の人々は、懲りない民族と言われることになりそうです。
# by kzhome | 2014-09-29 09:14