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筆不精

筆不精
昨年、皆さまからお叱りを受けていたブログの更新の無さ。             
月3回を目標に年末まで頑張ったつもりが、年末の慌ただしさにまぎれて、気が付いたら12月6日以降脱稿無し!
私の生来の筆不精が露呈してしまいました。
知人のNさんは、毎月何度も10年以上も知り合いの方などへ<N通信>としてハガキを出しています。
敬服の至りです。
今月1月は、私めの誕生月、年の初めでもありますので、気を引き締めて仕切り直し。

<勉強になりました>
昨年お引き渡しした<S邸>の全館空調システムに問題がありました。
引き渡し時期は春(4月下旬)だったので、冷房と暖房のチェックをすると、冷房は快適
に効きましたが、暖房が上手く運転しません。
スイッチは入るのですが、10分ほどで切れてしまいます。
室外機のコンプレッサー(加圧装置)が止まってしまうのです。
何度繰り返しても変わらないので、輸入元へ相談。
「外氣温が高いと有りうるかもしれない」との返答に、冬になったらもう一度確認しよう、と言うことで、S様にも納得してもらい、秋まで快適に過ごして頂きました。
ところが、11月の下旬、S様から「やはり、止まってしまいます」との連絡。
急ぎ大慌てで、急行すると、同じ症状。
やむなく、室外機を交換することとしました。
ところが、輸入元は、「製品不良を認めるには、米国のメーカーの指示通りのリポートを
提出下さい、メーカーが認めなければ私も認めません」と言い放ちます。
施工職人とレポート内容を確認すると、測定機器を買わなくては調べられないものも。
急きょ購入して、測定したレポートを報告すると、「米国のメーカーから日本へは売らないと言って来ちゃいました。つきましては、以後の室外機ユニットはそちらで調達して下さい」とのこと。
結局、今回の室外機ユニットは、こちらで新規購入、以後の販売はしないそうだ。

全館空調の快適さと、機能、省エネ性能に驚かされたのが、20年前の北米訪問時の事。
その時点では、国産の同等商品は無く、パナソニックや三菱の熱交換器を使って、
冷暖房機器と連動型の物を利用したりしていました。
しかし、熱交換器に決定的な欠陥が有る事を知り、7年前よりカナダ製の<LIFEBREATH社>に切り替えました。
全熱交換から顕熱交換にしたのは、一見日本の換気に不利な気がしたのですが、実はそうではなかったのです。
熱交換ですから、基本的に20℃以上差があれば、夏でも冬でも湿度の高い日には
結露をします。
その水分がどうなるか?が問題なのです。
全熱交換するためには、熱交換素子が透湿性の有るものでする必要があるのです。
例えば、<和紙>や<不織布>の様なものです。
とすると、水分を含んだそれらの部分は、濡れたままの状態で数時間以上乾かない
ことになります。
実際に施工した現場のメンテナンスをした時、愕然としました。
顕熱交換は、熱交換素子が<アルミ製>です。
つまり、熱は交換されるが、水分は交換出来ません。
結露した水分は、下へ流れてお終いです。(だからドレンが必要です)
空気の健康状態を考えるとこちらの方が安全と言わざるを得ません。(湿気はカビを呼ぶ)
<LIFEBREATH社>の利点はまさにそこに有ります。
さて、今回のトラブルは、<LB社>製ではないのですが、輸入業者は一緒です。
今後の事を考えると、日本製に切り替えるか、直輸入するか、2者択一状態です。
サッシは元々輸入していましたから、いっそ丸ごと輸入も有りか?
あれから10年以上も経っている事、もうそろそろ国産でも良い製品が出てるかも?
淡い期待を胸に、検索すると幾つかの<全館空調システム>が出て来ました。

そこで、岐阜を拠点に東海3県下を営業する<Y社>の担当者に来て貰いました。
年末の忙しい中、無理を言って接見すると、若社長が北米に留学経験が有り、向こうの
空調システムに目覚めて、日本での普及を考えたそうな、どこかで聞いた話ではある。
しかし、国産で考えた為、ダイキンのエアコンとK社の熱交換ユニットを組み合わせて
みた物で、<LB社>の仕組みとは、依然大きな開きがある。
その点を指摘すると、施工と営業を兼ねた担当者は、まじめな顔をして「勉強になります」
「確かにその通りです」とうなずいてしまいます。
一しきり話終わった後、もう少し進歩したら考えましょう、となった。
帰る折にもう一度「今日は、勉強になりました」と去っていきました。

そして、年明け、今度は日本の空調最大手<D社>のソリューション事業部営業マンに
来て貰いました。
ホームページでも<全館空調システム>をトップページで謳っているので、かなり期待
をして、話を伺うと、自信たっぷりに、全熱交換換気ユニットを宣伝します。
「こちらは、今までI工務店用に出していましたが、この度一般販売出来るようになり
是非ご検討下さい」とのこと。
熱交換器ではなく、全館空調システムなんですけど。
「いや、これからは、この製品とエアコンユニットの組み合わせになるので、見て下さい」
私「でもこれでは、30坪の家でもパワー不足ですし、各部屋へ均等に送ることも出来ませんよね、まして加湿や除湿の空気は均等になりませんよ」
D社営業マン「確かに、まだそこまでは出来ません、別々の対応になります」
私「それを、<全館空調>とは言えませんよ」
D「わが社では、これを<全館空調>として出したところですから、当分これ以上の物を
考えてはいません、これが現在の最先端商品です」と言われてしまった。
そこで、<LB社>の性能と考え方を説明すると、「え、そんな事が出来るのですか?
勉強になりました」とのたまう。
ちょっと待ってくれ、こちらが探しているわけで、まだ<勉強中>では困るではないか。
ひとしきり話した後、問屋さんの所長と<D社>さん、帰られることに。
退室の折り、「今日は勉強になりました」とお二人でハーモニー。
また、このフレーズか。
一体何時まで日本の住宅空調は「勉強中」なのか!
結局、振り出しに戻って、北米からの輸入を決断せざるを得ないことになりました。

そういえば、正月番組で外国人にインタビューして、<日本の変な所を聞く>コーナーが
あり、ロシアの女性が「日本の家は寒い、信じられないくらい」と言っていましたが、
炬燵や、石油ストーブで<局部暖房>する日本の住環境がいかに諸外国から外れた考え方
か、如実に物語っているシーンでした。
決して豊かではないロシアですら、住宅の暖房は、温水式の地域暖房で、家丸ごと暖めているのです。
省エネ化するのは、家の断熱性能を上げれば、僅かな熱で温まる訳で、決して浪費では有りません。
お客様には<断熱魔>と揶揄されても、本当は地球にも経済にもやさしい家づくりになるからなのです。
33坪吹き抜け有りの一軒家の全館空調利用で、1月2月の電気代が1万2、3千円。
もちろん、ソーラーパネルを付ければ、見掛け上の光熱費0以上の結果になるでしょう。
(実際は、ソーラーのイニシャルコスト、製造エネルギーなど、0などありえない)
まあ、そんな訳で、近々渡米してきますので、旅日記を書きます。(自分にプレッシャー)

by kzhome | 2013-01-19 08:36  

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