『温故知新の家づくり』 第2回 自然を破壊しない「循環型の家」

木造の住宅は、屋根の素材によって大きくその重量が違います。

和瓦なら、1㎡当たり50kg~60kgですから、30坪の平屋なら屋根面積はその約1.5倍の150㎡、つまり7.5tから9tの重量になります。

昔ながらの泥土を使ってあれば、そのまた倍になります。

金属屋根(ガルバリューム等)ですと、葺き方によって変わりますがその3分の1から5分の1になります。

外壁が土壁であれば、厚さ70ミリ、高さ2.5m、幅800ミリの土が外壁一面に入っていることになります。
土壁の比重を2.0(自然の土は3.0~4.0)として、1㎡当たり140kgとなり、90㎝間隔の柱と柱の間にある土壁の重量は、280kgにもなります。

土壁の耐震強度係数は0.5であり、耐力面材としての〈モイス〉(第1回参照)の4.0と比べるとはるかに劣り、万一、地震の際、倒壊して人の上に覆いかぶさったら、その重量は大人の男性でも持ち上げることが出来ません。

阪神大震災や、中越地震、能登半島地震でも土壁の家は多く倒壊しています。
もともと土壁自体が耐震性を考えて作ったのではなく、断熱性が主であり、100年に一度あるかないかの大地震に対応することは考えてなかったのです。

日本における地震の記録も〈江戸時代〉になってから頻繁に出てきますが、それ以前となると、伝承の域を超えません。
そのため、建築も耐震の工法といった考えではなく、釘やビス、金物が自由に作れないことによって、楔(くさび)や貫(ぬき)を使い、後世の部材取り換えが容易に出来るように考えられた結果、〈耐震性にも優れた建物が残った〉と言えます。

その証拠として、奈良・飛鳥時代の建造物は現代に到るまでに、幾度となく補修されてきましたが、その補修の痕から室町時代の頃までに補修されたものは技術的に価値ある工法でした。
しかし江戸時代以降になると、徐々に手抜き工事とも言える〈簡略な〉方法を生み出し、更に明治時代になると、西洋の釘や鉄の技術が導入されたものの、ステンレスなど合金の技術が無いため、それが錆びて木を腐らせ、手の施しようのない有様になっているそうです。

脇道へ逸れましたが、つまり、土壁は万能ではないのです。

日本の文化として残さなくてはならない物ではなく、むしろ〈災害時には危険である〉とです。

私たちは、「先人の知恵には大いに学び、現代には現実を踏まえ、〈未来に残すべき家〉を造りたい」と考えています。将来に向かって、未来の私たちの子供が喜んで住んでくれるような家を目指しています。

そのためには、自然災害や火災に強いだけでは、それは実現できません。

日本中の人たちが〈家〉を造っても、自然が破壊されず、造り続けられる家、素材、完全な循環の輪が出来る家が必要なのです。
[PR]

by kzhome | 2008-11-07 21:00 | 社長の日記  

<< 『温故知新の家づくり』 第3回... 『温故知新の家づくり』 第1回... >>