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耐震リフォームと断熱リフォーム(全館空調と顕熱交換型換気システム)

昨年、弊社の新しい取り組みとして(既存住宅利用高性能住宅化)を実現する為、自宅をモデルケースに、実験してみることにしました。

ケース1) 築年の浅い建物を最新の断熱サッシに取り換え、外断熱パネルと屋根下断熱で高気密高断熱化して、冷暖房費を省エネ化とする。

ケース2) 築古年数の建物を耐震性能も十分に持たせて最新高性能住宅に変身させる。

今回、築11年木造平屋が建つ土地を取得、お年寄りがお一人住まいの為建てた物で、仏間8帖と次の間6帖、寝室用?の6帖間、キッチン、食堂、居間が各6帖間で玄関が一間(1.8m)有り、縁側が南面に、廊下が部屋の真ん中を通って浴室、トイレに繫がっている、かなり細かく区切られた間取りで、94㎡(29坪)でした。

今時少ない大家族の我が家は、部屋数、収納が必要なので、敷地が許す限りの増築をして、既存の建物をパブリックゾーンとすることにしました。

不要な廊下を取り去って玄関を増築部分に取り込み、6帖の居間を10帖のリビングに。
キッチンとダイニングをリビングに繋げ、一般的なLDKスタイルです。

物を始末出来ない我が家の体質の為のバックヤードとしてユーティリティー兼用のパントリーを6帖分増築、キッチンの外壁面が無くなって窓が付かなくなり、暗くなるのを防ぐ為、天窓を設けることにしました。


プランは出来たのですが、ここで大きな問題が発生しました。

築11年と言えば決して古い建物ではありません、むしろ新しい建物と言えます。

ところが、平成11年に建築基準法の耐震基準が大幅に改正されたのですが、丁度その前年に建てられた建物だったのです。

昭和57年に新潟地震を基準に改正され、その後の阪神淡路大震災で再び大改正されたのが、平成11年でした。


するとどうした問題があるか?


と言えば、今回増築を計画した建物は最新の耐震基準となり、旧耐震基準で出来ている既存建物と接合することが出来ません。


ではどうするか?


既存建物も同時に新耐震基準に改造、付いているアルミサッシシングルガラスを、樹脂サッシペアガラスへ交換、屋根瓦は葺きなおさず、野地板面に遮熱シートEPSパネルの25mm厚をビスで固定する。

外壁面は、耐震耐力面材のモイスの上にEPSパネルの25mmを張り付けて外張り断熱とし、基礎の立ち上がりも床下がコンクリートを打たれていることを確認してEPSパネル50mmを張り付けた。

正確な数値は計算出来ないが、耐震性で等級3断熱性能でQ値2は確保出来たと思われる。


いずれにせよ生活する段階で、その価値が明らかになるでしょう。


平屋の既存改良ゾーンHRV(顕熱交換換気システム)増築の総2階建部分CAF(全館空調システム)で行うこととし、平屋の暖房は、蓄熱型ストーブ(スイス製)1台で、冷房は壁掛け式エアコン40(一般木造10~12帖用)タイプ1台としました。


平成21年末、工事が完了し引越し。


この冬は、ストーブを約4時間(7時~11時)点け、余熱で翌朝7時位までの暖気を確保、薪代が1月2月合わせて25,000円(50束)が少し気になる費用ではある。

ただし、無暖房でも外気0度で室温15度程度なので、我慢できない温度ではない。

私の理想では、真冬の室内でも薄着で過ごしたいので、ストーブ暖房が必要とした。

CAF(全館空調システム)の側では、室温を20度に設定することとし、外気温が10度以上ある日は、暖房を切ってみた。

翌朝、外気温が3~5度の日で17度以上有り、基礎断熱=地熱利用理論どおりの結果が出た。

些少の寒さを我慢すれば、知多半島地区では、無暖房!も夢ではないかもしれない。


3月末から一切暖房を入れずに、梅雨が来て6月の下旬、時ならぬ暑さ(外気温32度)が続き、CAF側は冷房を掛けることに。


一旦入れると切ることが出来ないのが冷房だ。


HRV側は、梅雨明けまでエアコンの使用を控えることが出来た。

その理由は、扇風機(送風機)を利用して空気の流れを作った事と、夕方の熱気を外へ出すために、換気風量を最大にすると同時に除湿機能をONにしておいたことが貢献した。

しかし、さすがに梅雨明けの猛暑には為すすべもなく、全館空調のCAF側は27度で、HRV側も冷房を掛けないと30度を越してしまうので、台所仕事時に掛けることに。

7月20日の電気代が23,000円ほどだったが、8月の電気代がやや気になる。

我が家の人数は、大人5人でそれぞれの個室を持っている為、毎年のエアコン使用時電気代(6月~9月)は30,000円を軽く超え、7月8月は40,000円をも超えていたことを考えると、半額程度になったようです。

以上が加藤家の古家再生プロジェクトの概要です。


一応の成功とノウハウを吸収確認出来たので、早速半田市のK邸を着工、1月末に工事を始め、3月末竣工しました。当初、耐震目的でしたが、解体に伴い増築部及び新築時の施行不良や手抜き工事が散見され、かなりの大改修。

ならば、屋根瓦の葺き替えもすることで、なお一層の耐震性が期待出来るし、エコポイントの支給があれば、窓と床も断熱化しようとなりました。

ここで一言、日本の政策が如何に小手先のみであるかの例があります。

家の断熱省エネ化を促進するために、窓ガラスをシングルガラスからペアガラスに替える事でエコポイントを付け最大30万円分の工事代を補てんしましょう、と言った制度を打ち出しました。

そこで、K邸もせっかくなら戴こうと(弊社では標準ですが)申請したところ、私の積算より7,000ポイント少なくなってしまいました。

理由を聞くと、「窓ガラスにはエコポイントが付くが、勝手口のガラスには付かない」と言われ、ガラスであることに変わりはないが、あくまで窓に限定する制度との事。

つまり、家の断熱性能などどうでもよくて、内窓が取り付け可能な物(サッシメーカーが売りやすい)を経済効果だけを狙って打った政策丸出しだったのです。

断熱の常識として、四角い箱の5面が同じ断熱性能として、1面のみ劣っていれば、その面に集中してヒートブリッジ(熱架橋現象)が発生、結露や放熱が激しくなります。

やれ省エネだ、CO2削減だ、とお題目を付けても実態は、物理を無視した付け焼刃の経済対策?(自動車産業や家電産業に住宅産業が妬んで官僚を動かした嫉妬対策)であり、
真の省エネ対策とは程遠いものでした。

余談が長くなりましたが、K様はこの夏もエアコンをあまり点けずに過されているとか。

壁の珪藻土も冷却効果に一役かっているようです。


そして現在、大府で取り組んでいる最新のプロジェクトをご紹介します。

建物は築41年平屋建て入母屋造り60坪を超える威風堂々な佇まいです。

お話の発端は、20年前に名古屋市内でリフォームしたお客様からの突然の電話、「私だけど解る?」と女性の声で携帯に掛ってきました。

後で思えば確かにI様の声でしたが、その時は一瞬何のことやら、ちょっとドキッと。

お話の内容は、現在お住まいの家をお子様に譲って、大府に一人住まいのお母様とご同居されるので増改築(リフォーム)を考えている、とのことでした。

お母様は5年前ご主人を亡くした後、お一人で暮らしてきたが、最近心細く感じたり、この先の事を考えると不安がある、とのこと。

私ごとながら、昨年11月に母を亡くした経験から、大いに感じるところもあり、早速、自宅へご案内し説明、ご主人と苦労して建てた母屋(お宅)の雰囲気はそのままに、現在の耐震基準最新の断熱性能を合わせてリフォームすることに。

まず目についたのが、一見立派に見える屋根の漆喰があちこち落ちて機能しなくなっていること。

瓦の下に土が載っているため、その総重量は50tにもなること。

そこで、真っ先に屋根の葺き替えを敢行、自宅では出来なかった、瓦下遮熱断熱を実行することにし、セルロースファイバーが出来ない分、高密度EPSパネルの厚みを50mmとし、その上にR-フォイル(遮熱シート)を張りました。

これだけした時点で、室温が2度ほど低下、今回のプロジェクトが完成度の高いものであることを裏付けました。
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by kzhome | 2010-08-11 15:07 | 社長の日記