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建築道楽

先月、8月27日のチラシに、<築100年の家を再生して見学会を開きます>と言った趣旨の広告が入っていました。

1910年頃とすると、大正年間でしょうか?

実は、そのころの建築が日本の住宅建築の隆盛期でした。
入母屋建築や、数寄屋建築は室町時代頃から発展しましたが、建てる事の出来たのは専ら武家や公家の人々で、庶民は江戸の中期以降、豪商や資産家の普請まで待たなければなりません。

何れにせよ、住宅建築は庶民のものではありませんでした。

江戸から明治に入り、文明開化の名の元に建築も例外ではありませんでした。
三菱の創始者岩崎弥太郎邸桑名の諸戸邸など名建築が生まれたのもこのころです。
そして、功あり名を遂げた人々がこぞって建築の妙を競ったのです。

余談ですが、なぜか初代は建築道楽になり、2代目は衣装道楽、3代目は喰い道楽になる、と言われています。

ベンチャー企業や高成長企業が少なくなった今日の日本には、どうやら建築道楽は少なくなり、喰い道楽や衣装道楽が多くなったようです。

新しい名建築は生まれているのでしょうか。

それはさておき、100年前の家の建て方は、現在のような、ハウスメーカーや工務店などは無く、請負で住宅建築を工事する会社はありませんでした。

ではどうしていたのでしょう。

建て主(現在の施主)が間取りを考え、基礎は日和方(ひよかた)と呼ぶ人扶に指示をして造らせ、大工を選んで材木屋へ連れて行き木材選びの相談から木取り(木材を採寸する)刻み(仕口を加工する)などをさせ、人扶を集めて建前(棟上げ)をし、瓦職人に瓦を葺かせ、大工の日当を月単位で支払い、毎日現場を覗きながら職人と打ち合わせ(話し合い)をして、左官職人に壁を塗らせ、土壁の裏を返し半年がかりで乾燥させ、最低でも1年がかりで完成させたのを、<普請>と呼びます。

お金を使うことを<散財>とも言いますが、<買い物>は楽しい事です。

<家づくり>=<普請>=<散財>は大きな買い物ですから、最高の楽しみでしょう。

現代の日本では、<家づくり>の楽しみが一般庶民にも味わえます。

それは、昔の人々にしてみれば、のようなことです。

その素晴らしさ、楽しさを味わいながら<家づくり>をしている方がどれほど居るのでしょう。
建売やハウスメーカーの企画住宅では味わえない<散財する喜び>を。

K邸のオーナー様は今、<建築道楽>を楽しんでいる最中です。
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by kzhome | 2010-09-10 19:32 | 社長の日記