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春の訪れ 続編

先日、長野県へ行ってきました。
長野の2月はさぞかし雪に埋もれていることか、と思っていたのですが拍子抜けするほど
雪は少なく、寒さは朝晩-5℃から-8℃と、まあ知多半島よりはさすがに寒いです。
目的は、国際水準の木製サッシを<木曽桧>で造る意欲的な<木工屋さん>を観に行く事と、外断熱の<木質繊維板>を自宅に使用して壁の中にセンサーまで埋め込み、データ採りをしている建築会社経営の0さんに会いに行く事です。
もちろん、会うだけでなく施工現場や完成経年の建物なども診せて貰います。
スイスで20年以上の実績はあるのですが、日本での施工例が少なく、やはり「百聞は一見に如かず」のことわざ、この目で見るに限ります。
2件とも大きな収穫となって、今後の<ケーズホームの家>に関わって来そうです。
その成果の話とは全く違う、<0さんから伺った話>が今回のブログのネタです。
<話>と言うのは、東日本大震災時の福島第一原発の事故から長野の主婦の間で起きているある現象についてです。
あれから関東地方では、<放射線量>を測定することが日常化しているのはご存じですね。
北関東や福島周辺、さらには東北地方全域の農産物や生産物の放射線量を気にしているのです。
長野県は福島からはるか北西に位置して、偏西風や季節風を考えても、殆ど影響はありえないはずです。
それでも、汚染物質が持ち込まれていないか?
自分たちの知らない間に使われていないか? を心配して<ガイガーカウンター>(放射線測定器)を購入し、主婦の間で廻しあって使っているそうなのです。
0さん自身も北関東で作られた建材を使用しなくなったそうです。
お施主の中には、<ガイガーカウンター>を現場へ持ち込み、基礎コンクリートの段階から測定する方もいるそうです。
私には想像もつかなかった話なので、<見えない恐怖>とはこれほどか、と改めて思い知らされました。
実際には、環境庁や気象庁が各県の数カ所で<定点観測>をして毎日発表しているし、
製品出荷時に測定もされています。
むしろ、自然界の放射線量が上回っているのが実情です。
東京の世田谷であったように<微量の放射線>は人の寿命に大きな影響を与える程では?
長野県だけの流行と言えるのか、日本人の気質か、判るような、判らないような気持ち。
これも<見えない恐怖>からだろう。

知多半島に眼を転じると、私の住まいは半田市街地からやや外れた、近くに田んぼも見える場所にあります。
牛の臭いや鶏糞の臭いが立ち込めることも珍しくないその地域は、本来春になれば蝶や蛙の姿を見ても良いところなのです。
しかし住み始めて4年、蝶の舞や蛙の合唱は聞けません。
戦後の農家は、収穫量を高めるためにと雑草を生やさない除草剤を撒き、化学肥料を散布、それを指導したのはJA(日本農協共同組合)です。
農家の方は、自家使用分の畑や田んぼには、無農薬で育てた野菜や果樹、お米を作っているそうです。
判っているのです。
虫や小動物が死ぬ薬品は、人体にも危険であり、薬品の取扱いも厳重に管理しなくてはいけない程で、土を汚染こそすれ、決して<肥沃化>などしていないことを。
かつて半田市の中央を流れる<阿久比川>には、気水域(海水と淡水の交わる処)の豊かな魚が溢れていました。
蟹やエビの他、鯉、鮒、鰻、ハゼ、鰈、鱸、鮠(ハヤ)、タナゴ(淡水)、メソ(鰻の幼魚)モロコ、メダカ、トビハゼ、ナマズ、雷魚など、まだまだ沢山の魚がいたのです。
今見るとまるで<死の川>です。
新美南吉の<ごんぎつね>に登場する川は、阿久比川の支流です。
彼の作品には、その他にも<鰻>は良く登場します。
つまり、ほんの50年前には、半田市内を流れる川には<鰻>が沢山棲んでいたのです。
その後、上流の阿久比町で大きな住宅団地造成や、農薬散布が一般化し、アッと言う間に
<死の川>に変貌してしまった訳です。
20世紀の前半まであった<半島の自然>はわずか50年で失われました。
その後、団地の排水は下水システムの普及で、やや持ち直しましたが、農薬はそのまま。
阿久比町民揚げての<蛍運動>があって、少しずつ(無農薬田んぼ>も増えつつあるようですが、一度失った生き物たちは、蘇ってきません。
佐渡の<朱鷺>は中国から、岡山の<コウノトリ>はヨーロッパから送ってもらった、
つまり、純血種はもうこの世に存在しない物です。
今、<コウノトリ>や<朱鷺>の放鳥地では、無農薬田んぼや、河川の浄化を進めているそうです。
無農薬の田んぼにはカエルもドジョウも蘇り、稲の天敵とされる<カメムシ>などの害虫
が発生しても<彼ら>の餌食となって、意外にも被害が出ていないそうです。
ここに、私たちが失ってしまった物を蘇らす<ヒント>が有るように思います。
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by kzhome | 2013-03-04 14:04