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ドイツのサッシ

この夏は、また猛暑でしたね。皆さんの家の暑さ対策はいかがですか?

7月の下旬から耐震改修ならぬ断熱改修をしました。
施主は設計事務所の自宅。
30年近く前に建てたその家は、現在の私たちの知識からすると<ほぼ無断熱の家>。
昼間の家の中はエアコンをかけないでいると40度近くまでにも。
ローンも終了したので、ここで思い切って外壁と屋根を張り替える事にし、ついでに開口部をすべて断熱仕様にすることにしました。
当初、木製で考え、国産のサッシメーカーを探していたところ、長野県でこれから製造販売する企業を見つけ、早速工場見学を約束。
見れば10人程度の小規模な木工場ではあるが、最新の設備をイタリアから取り寄せ、若い社長に若い従業員ばかり。
これはイケル。
そんな思いを抱きながら、同じ長野に木質繊維板の外張り断熱をしている会社があるので
折角来たついでにそちらにも寄り、施工現場を見せてもらうことに。
施工事例を見せてもらいに現場へ行くと、使用されているサッシはなんとドイツ製でした。
木質繊維板の厚みがあるためアメリカのサッシは使いづらく、できればヨーロッパ型のサッシにしたいと思っていた処なので渡りに船、施工の収まりを見るのにちょうどいい。
思わず「これってどちらから手に入れてるのですか」と聞いてしまった。
O社長「これはドイツから直輸入しています。家内がドイツ人で、親戚がサッシを生産しているんです」とのこと。
「何、奥さんがドイツ人!」
「しかもサッシメーカーが親戚!」何ということでしょう。
「よろしかったら入手価格でお渡ししますよ」と優しいお言葉。
O社長いわく、「沢山買うことによってバックリベートが有るし、家内の顔も立つ」そうだ。

後日、木製サッシメーカーをめざす社長が半田へ来て、打つ合わせをしたのだが、どうも煮え切らない。
理由を聞くと「トリプルガラスが安く手に入らない、日本ではペアまでが一般的でトリプルは特殊扱いになってコスト高になる」とぼやいた。
N設計士には限られた予算で最高のパフォーマンスを求めたい夢がある。
なにせ30年我慢したのだから、「どうだ、やってよかっただろう」と奥さんにも言いたい。
今更ペアガラスは選択枝にない。
弊社の仕入先にAGCガラス(旭硝子の100%子会社)があるのだが、まさかガラスを支給するのも失礼な話と、言い出さずに我慢していると、どうやらM社長も仕入先メーカーは旭硝子らしい。
3か月の交渉の結果、価格的に無理なことが判った。
やむを得ず、O社長に<ドイツ製樹脂サッシ>を頼むことに。
万が一の話が現実の話になった。
価格はほぼ想定内に収まり、後は入荷を待つばかり。
ヨーロッパから送られてくるとなると3か月後になる。
オーダーメードなので寸法は1ミリ単位の発注が可能なのだが、納期はかかる。
4月に発注し7月にようやく届いた。
本来は5月の梅雨前にサッシ取り付けと行きたかったのだが、やむを得ない。
サッシが届いたのが7月20日、解体作業開始が7月25日。
超がつく炎天下のなかの断熱改修になってしまいました。
さて、いよいよサッシ本体の取り付けになり、開梱すると、そのガラスに貼ってあるシールの文字に見覚えがある。
なんと<AGC>の文字だ。
推測するに旭硝子のヨーロッパ子会社が生産したガラスではないだろうか。
世界的ガラスメーカーの旭硝子は当然のことながらヨーロッパにも生産拠点を持つ。
そして、ドイツでは住宅用ガラスは2012からトリプルガラスが義務付けられ、2014年からEUの大半がトリプルガラスを法制化する事実からガラスメーカーはトリプルGを生産する必要があるのでしょう。
本家、日本の旭硝子(武豊にも工場がる)は造ってないが、遥かヨーロッパでは当たり前に造っているのだな。
ガラスと言えばこんな話もあった。
日本の防火基準に<網入りガラス>を義務付けている場合があるのだけれど、北米にはそのようなガラスは造れない。そこで日本からガラスを輸入し、アメリカで組み立てて、日本へ輸出している。
誇らしいような、ばかばかしいような、現地の工場で話を聞いた時は複雑な気分になった。
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by kzhome | 2013-09-07 11:23